服の選び方が変わる境になる年齢は35歳だと実感しています。子供の頃は親の選んだ服を着ることが多く選択肢が狭いものの、10代後半や20代になると自分で着たい服を選べるようになるため、トレンドを追うようになり、好きな服を自由に着こなす楽しみができるものです。サイズさえ合えば何を着ても許されるのは若さゆえの特権で、30代前半までは最低限の節度を守れば通用する印象があります。ところが35歳を境に、服を選ぶ基準が自然に変わってくるのです。体型の変化ももちろんありますが、それ以上に生活スタイルの変化が服選びに大きく影響すると感じました。35歳~50代前後までは、流行よりも動きやすさ重視で服を選ぶ傾向があります。多忙な生活で服まで気を使えない事情もありますが、オシャレな外出着を選ぶ場合も、ピッタリサイズの流行服よりサイズ感に余裕のある動きやすいワンピースをさらっと着た方が、大人の余裕を感じられて着こなし上手に見えるのも理由の一つです。60代以降は生活も落ち着きオシャレを楽しみたくなる年頃ですが、若い頃のように流行を追うのではなく、元気で健康的に見える色合いの服を選びたくなります。くすみ肌を明るく見せるために、レフ板代わりになるパキッとした白いトップスを選んだり、年齢を重ねたからこそ似合う原色の服を選ぶようになり、若々しく見せるだけでなく服の色で心から元気に過ごせるのです。体型や肌色や生活リズムは年齢とともに変化するので、服選びの基準も変わるのが普通だと思います。でも、自分らしくいられる服を選ぶのは、年齢を重ねても変わらないことなので、何歳になっても自分だけのナチュラルファッションを楽しみたいものです。